映画『ミスト』はもっとバッドエンドにできるはずなのに
映画好きでない人も、「ミスト」という映画は聞いたことある人が多いはず。
胸糞悪い映画のオールタイムベストだからです。
まだ見ていない人は、ぜひこちらの紹介記事を読んでみてください。
以下はネタバレになります。
映画をしっかりと見たことがある人向けに書いてますので、映画を知らない人はまったく楽しめない記事になってます。ご注意を。
僕が初めて見たときはあまりのバッドエンドっぷりに、数日間落ち込んでいたものですが、冷静になって考えてみると、もっとバッドにできたはずだと思い始めました。
「いやいや、オリジナルのエンディングが充分バッドなのにこれ以上バッドにするとか鬼畜かよ」
と思うのは当然ですが、僕は映画を見るときは鬼畜になります。
以下の文章は、映画「ミスト」を見たことがあり、かつそれ以上のバッドエンドを想像してみたいという方のみご覧ください……。
僕は何が不満だったのか?
どうせバッドエンドにするならもっと究極のバッドにすべきだった
この映画が最初からバッドエンディングを想定して作られ始めたのかはわかりませんが、バッドエンドにする以上、興行収入があまり期待できないのは言うまでもありません。
例外はもちろんありますが、基本的に映画はハッピーエンドの方が興行収入が上がりやすいです。
「現実の生活が充分つらいんだから、映画でくらい夢を見せてくれよ」と言う人が多いのは当然ですよね。
何が言いたいかというと━━
せっかくバッドエンドにするのなら、もっと徹底的にバッドにすべきだったということです。
僕はどうしても、映画製作者たちがラストのバッドエンドを撮るにあたって少し遠慮したのではないかと邪推してしまう。
「さすがにここまでバッドにするのはマズイよな……」と製作者たちは思い、自らブレーキをかけてしまったのではないか。
僕に言わせると、オリジナルのバッドエンディングは生ぬるい。
キーになるのは「ウイルスばばあ」
この映画を見たあなたは覚えているでしょう、このおばさんを。
狂信的な言説を振りまいて、生存者たちの休息の地であるはずのスーパーマーケットを地獄へと変えたこのおばさん。挙げ句の果てには、「子供を殺して生贄に捧げよ」などと叫び、新興カルト宗教の長のようなキャラになったこのおばさん。
怖いのは、おばさんの論理は明らかにおかしいのに、恐怖にとらわれた周囲の大人たちがあっという間に信者になってしまうところ。
ここでは、安息の地を地獄へと変える彼女の天性の才能を褒めたたえて、仮に「ウイルスばばあ」と呼んでおきましょう。
「ウイルスばばあ」のムカつくことといったら、ハリーポッターのドローレス・アンブリッジをはるかに上回ります。
なぜ「ウイルスばばあ」を殺してしまった?
この「ウイルスばばあ」は主人公の子供を殺そうとしますが、その寸前でスーパーの副店長に射殺されます。
ちなみに、一部の劇場では「ウイルスばばあ」が射殺されたこのシーンで、拍手喝采が起こったとか。
映画史上最高にスカッとするシーンかもね
でもね、究極のバッドエンドを目指すのなら、「ウイルスばばあ」は殺すべきではなかった。
むしろ生かしておくべきだったのです……
ラストシーンに再登場する短髪の女性
ラストシーンでこの短髪の女性が出てきますよね。
実はこの人は、映画の最初に出てきます。
子供を助けるためにいち早くスーパーマーケットを脱出して、霧の中に消えていったあの女性です。
ラストシーンで、子供を自ら殺してしまった主人公と対比させるような感じで再登場します(それが↑のシーン)
このままでも充分バッドなのはわかります!
主人公は子供を自分の手で殺してしまったのに対して、短髪の女性はしっかり子供を助けて避難に成功しているわけですからね。こんな残酷な対比はない。
僕が考えた究極のバッドエンド
ラストシーンでは、短髪の女性ではなく「ウイルスばばあ」を登場させるべきだった。
僕が思う、究極のバッドエンドはこれです。
子供を自らの手で殺してしまった主人公の隣を、避難車に乗ったドヤ顔の「ウイルスばばあ」が悠々と通り過ぎていく。
これが究極のバッドエンドではないか?
主人公は霧から逃れて助かるために、スーパーマーケットを出ていったのに、結果的には自ら子供を殺すことになってしまった。
それに対して「ウイルスばばあ」は、変な宗教を説いて周囲を混乱させたくせに、無事に救出されて堂々と主人公の横を通り過ぎていくのです。
想像するだけで、胸糞が悪くなるほどのバッドエンドだと思いませんか?
あのシーンも変えるとさらにバッドに
だが、まだ甘い!
さらにバッドエンドにできますよ(鬼畜)
オリジナルでは「ウイルスばばあ」は、スーパーの副店長が射殺していましたよね。
僕としてはあのシーンにも変更を加えたい。
つまり、「ウイルスばばあ」を射殺しようとする副店長を主人公が止めるのです。
主人公が制止することによって、「ウイルスばばあ」が一命をとりとめてしまったという状況に変更する。
それからさっき僕が言ったあのラストシーンに突入するのです!
主人公のおかげで助かったはずの「ウイルスばばあ」が、子供殺しの罪を犯してしまった主人公の横を、勝ち誇ったようなドヤ顔で見下ろしながら通り過ぎていく……。
主人公は激烈に後悔することでしょう。
「こんなことなら、ばばあを射殺しようとするのを止めなければよかった……」と。
子供を殺してしまった罪悪感に加えて、ばばあを殺さなかったという後悔が二重になって主人公を襲います。
これにて、僕が思う究極のバッドエンドは完成!
我ながら恐ろしいバッドエンドを思いついてしまったものです。
まとめ
うーん。この記事を読んでる皆さんには伝わったでしょうか?笑
僕の脳内には完璧にイメージされてるんですが、それを言語化するのはムズカシイんですよね……。
映画を見ていない人にはまったく伝わらないと思いますので、まだ見てない人はぜひ見てほしいです。
注意してほしいのは、次の日が休日の日に見てください。
日曜日など、次の日が出社日である場合は見ない方がいい。バッドエンドが胸糞悪すぎて、会社に行けなくなる可能性もあるので……。