京都アニメーション放火事件から2日後に現地を訪ねる

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京都アニメーション放火事件から二日が経った。

悲劇的な事件だ。

京都アニメーションのファンの人たちは、悲嘆に暮れているに違いない。

 

僕自身、『聲の形』(こえのかたち)という京都アニメーション制作のアニメ映画を見て感動し、聴覚障害について考えさせられたことがある。

京都アニメーションは、人の気持ちを繊細に描くアニメを作るんだなと思っていた。

 

事件から二日しか経っていなかったが、僕は京都アニメーション放火事件の現場を訪ねることにした。

 

野次馬根性と言われてしまえばそれまでだが、なにか得るものがあればいいと思ったまでだ。

何を書いても気分が暗くなるばかりだけど、完全に目をそらしてはいけない。

せめて、全ての被害者の方の冥福を祈ります。

 

 

京都アニメーション本社

京都アニメーション本社はJR奈良線の木幡(こはた)駅のすぐそばにある。

 

あたりは京都らしい閑静な住宅街で、古風な雰囲気がある。

 

本社の前には、パトカーと報道陣が集まっていて悲痛な空気が流れていた。


本社の近くには、「京アニ&DOショップ!」というお店がある。

アニメグッズを販売するお店だ。

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入り口には臨時休業の看板が

ショップは臨時休業状態になっていた。
普段の活気は消えていた。

 

改めて今回の事件で失われたものの大きさを痛感する。

 

京都アニメーション第一スタジオ

第一スタジオは京阪線六地蔵(ろくじぞう)駅のそばにある。

本社からは一駅分離れている。

 

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第一スタジオの前にある通り

報道陣が休むことなくカメラを撮り続けていた。

僕が思っていたより、第一スタジオの周辺は細い路地で入り組んでいた。

これでは、消防隊による消火活動も容易ではなかったのではないか。

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鎮火後の第一スタジオと上空を飛ぶ報道ヘリ

第一スタジオを撮れそうな場所はほとんど報道陣に占拠されていて、しかも警察による規制線が張られているので、近くには行けない。

何とか撮れたのはこの一枚だけ。

 

写真には写っていないが、建物の正面部分は左側にある。

写真に写っているのは建物の側面と後方の部分。

 

ガラスは割れて、黒いすすが窓の上を這い上がっている。

 

三階の窓からも大きなすすが見える。火の手は三階まで燃やし尽くしたらしい。

 

社員の多くの方は、屋上につながる階段で折り重なるように亡くなっていたらしい。

屋上への扉には鍵がかかっていて、鍵を取りに行く暇もなく火の手が広がったのだろうか。

せめて屋上に逃げ出せていれば……。無念。

2019年7月23日追記

続報によると、屋上への扉に鍵はかかっていなかったらしい。

すると、無施錠の扉を開ける暇もないまま亡くなったということか。そこまで火と煙が広がるのが速かったのか。

改めて、ガソリン火災の恐ろしさを痛感した。

マスコミによる聞き込み

周囲を歩いていると、マスコミらしき人から話しかけられて「事件当日、ガソリンの携行缶を運んでいた男を見ませんでしたか?」と聞かれた。

 

マスコミ各社は、京都アニメーションの残された社員の方々に配慮しながら、犯人の動機解明に全力を注いでいただきたい。

このままでは、被害者が浮かばれない。

 

令和初の大事件として100年後も語り継がれるであろう事件

現時点ではあまり多くを語りすぎない方がいい。

情報がまだまだ出揃っていないし、少ない情報をもとに議論しても感情的になるだけだから。

でも一つだけ、記録として残すために書いておきたい。

 

この事件はきっと100年後も語り継がれる。

令和初の大事件として。

令和から次の年号に移るとき、令和時代を振り返るニュース特番でまっさきに取り上げられる事件になるだろう。

 

アニメというのは世界中の人にも受け入れられる、非常に普遍的な芸術ジャンルだ。

この事件が引き起こす影響は世界中に波及し、侃侃諤諤の大激論になるだろう。

 

令和が始まってまだ2か月半しか経っていないのに、この事件。

令和時代の先行きは暗いような気がしてならない……。