35歳男の実家暮らしの何が悪い!子供部屋おじさんをテーマにした映画
「子供部屋おじさん」なる言葉が最近、注目されてますね。
成人しているにもかかわらず、実家に暮らし続ける男のことです。
「パラサイト・シングル」と同じ意味だね
平均賃金が下降し続ける中で、金銭的な理由から実家暮らしを選択する人は多くなっているのではないでしょうか。
僕は、なんとなくですが、「子供部屋おじさん」って日本特有の問題なのかなと思ってました。
しかし!
実際にはそんなことはなく、どこの国にもある問題のようです。
今日紹介するのは、「子供部屋おじさん」を扱ったアメリカのコメディー映画です。
暗い気持ちになるドキュメンタリーではないので、リラックスして鑑賞してください!
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一言あらすじ
35歳にして実家暮らしの男主人公の将来を不安に思った両親が、女性カウンセラーに依頼する。「なんとか息子を自立させてやってくれ」
だが、カウンセラーの女性は、そんな「子供部屋おじさん」に惹かれてしまい……
1.まず注意すべきこと
最初に注意しておく必要がありますが、この男は実家に暮らしているというだけで、仕事はきっちりこなしています。むしろ、かなりのエリートサラリーマンです。
仕事もせずに実家暮らしでゴロゴロしているニートタイプの「子供部屋おじさん」ではない。
「子供部屋おじさん」のなかでも最上位に属すエリートだね。
なので、主人公にあんまり感情移入できないという人もいるかも。
だって超エリートでイケメンだもん。
やろうと思えば一人暮らしできるやろって感じですしね。
2.最初のシーンで驚いた
映画の最初のシーンで、男がガールフレンドをナンパして自宅に連れ込むシーンがあります。
さあ、今からベッドイン!というときに、父親が部屋に入ってくる。
ガールフレンドはビックリ。
「え、あんた両親と同居してんの? ありえないわー。もう帰る」
と捨て台詞をのこして、ガールフレンドは出て行ってしまいます。
ギリギリまで男が両親と同居していることを観客に隠すという演出がうまいですが、
驚いたのは「実家暮らしの男がアメリカにおいてもかなり下に見られている」というところ。
アメリカってそういうところはドライで、誰も気にしないものなのかなと思ってたんですが……。
もちろん映画だから誇張されているのでしょうが、実家暮らしの男が「自立できていない」「甘えている」と、異性からマイナス評価を食らうことはあるようです。
なーんだ、アメリカも日本とあんまり変わらないのね。
単に親思いなだけ
主人公は単に、親思いなだけなんですよ。仕事は順調だし、金銭的余裕もあるけどそれでもあえて実家暮らしを選んでいる。
本人は実家暮らしを悪いともなんとも思っていない純粋ボーイ。
でも親は早く自立して欲しいと思っている。
だから、カウンセラーに息子を自立させてとお願いする。
で、その後、主人公と女カウンセラーがイケナイ関係になっていくところが、このコメディー映画のおもしろさなわけです。
リアルな生々しさはあまりないので、単純に楽しみたい人向けですね笑。
3.アメリカでは賛否両論
youtubeを見ると、この映画の予告編はかなり再生されています。
アメリカでも「実家くらしの子供部屋おじさん」は、注目のトピックなんでしょうか。
しかし、コメント欄を見ると、けっこう否定的な意見が多い。
たとえば━━
I still live with my parents but it's not about motivation or any shit like that, it's economics.
訳:たしかに俺は今も両親と同居してる。でもそれは、俺がグータラなせいじゃないし、この映画の主人公みたいに親思いだからじゃない。お金がないからだ。
そりゃ、現実には、職業にはついているものの低賃金すぎて一人暮らしできないから、しぶしぶ両親と同居しているって人が多いですよね。
そんな人からすると、このコメディー映画は神経を逆撫でする映画かもしれません……。
アメリカにはマックジョブ(McJob)という言葉があって、ファーストフード店の店員ように機械的な動作を繰り返すだけの単純労働を指す。
アメリカでは、大学を出てもマックジョブにつく人がいて、こういう人たちは経済的な理由から両親と同居せざるをえない人が多い。
ちなみにマックとは「マクドナルド」にちなんでいる。
まとめ
アメリカでも実家暮らしの男はいるし、少なからずそんな彼らを差別する声があるのも事実。それが分かる映画でした。
といっても、経済的な理由から両親と同居することが悪いはずがないし、そんなことでその人を判断するのは早計です。
「子供部屋おじさん」であっても、堂々と生きていきたいものです。